ゴーギャン展

タヒチをテーマに多くの絵画を描いた画家ゴーギャンがこの夏東京国立近代美術館にやってくる、と聞いてから、心待ちにしていました。7月3日から始まった会期、ようやく昨日見てまいりました。

なんといっても良かったのはその色使いでした。全体に暖色の、夕焼けを浴びたような色使いはどこをとってもタヒチ。特に肌色の表現などは参考になるなぁとおもいました。
加えてそのメッセージ性。後に推測された部分もあるのかもしれませんが、非常に濃密な意味合いを持たされたおのおののモチーフがひとつの絵画を構成していて、ゴーギャンワールドを作り上げているのだなと感じさせられました。とはいっても、それは多くの画家がそうであることがあるように、「自己内面の投影」といった類のものではなく、「生命」と「神〜宗教色」をパラダイス色強いタヒチというフィルターを通してごく客観的かつ厳格に説いているといった印象を受けました。
作品名他いたるところにタヒチの言葉が使われているのも良かったです。
ポリネシアの神話色も強く、もっとポリネシアを学びたい、と思わされる刺激も受けました。
いろいろな形で語られる、ゴーギャン自身の背景というものも大変興味深いと思いました。その、ある種徹底ぶり、というか、破綻ぶりというか・・・(笑)あるレベルを完全に越え突き抜けている有様に、そういえば田中一村の作品を奄美大島で見たときに感じた「ハッ!とする感」と同様の感想を抱きました。
生命に関しての執着ぶりには共感するものが多いです。
今回、こうして作品を直に見ることができて改めて確信しました。ゴーギャンは、私の最も好きな海外の画家、でることに間違いなさそうです。

http://www.gauguin2009.jp/
2009年7月3日〜9月23日
東京国立近代美術館
東京都千代田区北の丸公園3-1(最寄り駅:東西線竹橋駅