[ハワイ]映画「ONE VOICE(ワン・ヴォイス)」

この日から上映を開始した、ハワイオアフ島カメハメハ・スクールにおけるドキュメンタリー映画「ONE VOICE(ワン・ヴォイス)」(公式サイト→http://www.onevoicemovie.jp/)を、渋谷の映画館「シネクイント」で観てまいりました。

詳しい内容については、ネタバレになってしまうので差し控えますが、フラをはじめ、ハワイアン・ミュージック、そして総じてハワイの文化に深く関心を寄せる方々なら、きっと勉強になったり心に響いたりする映画だと思いました。
剥奪された言語ハワイ語、という、心にも痛い側面も大事ですが、同時に、ハワイのハワイらしいシーンが忠実に再現されている、というような、ごく軽い部分でも充分に楽しめます。その点では、ハワイに焦がれつつもまだハワイに行ったことがない人たちにも、ぜひ、観て欲しい映画です。ハワイの色濃い斜陽、丈の長い植物を分ける時の音、日の昇る前から乗り込むカフク(オアフ島北部)からのバス。スクリーンからいっぱいに、ハワイが香ってくるような気がします。ハワイという「島」で暮らし、生きることがどういうことか、あらゆる切り口でそれらが等身大で描かれています。

ドキュメンタリーということもあって、音もカメラワークも進行も淡々とした感じです。ドラマティックすぎる演出では決して無いのに、それでもなお、ストイックな声質での合唱のシーンでは、全身が総毛立つのをとめることはできません。
わたくしがこの映画を観て感じ入ったことは二つ。
なぜ、クレイジーなハワイアンミュージックファンのために来日してくれる、ハワイのミュージシャンたちが皆、あれほどハワイアン音楽のすべてにおいて卓越しているのかが、沁みる程よくわかった、ということ。それから、ハワイ語の発音に於いて「オキナ」や「カハコゥ」は日本語の「っ」や「−」と同じく、非常に大事だということ。わたしたちの言葉から「っ」や「−」をないがしろにして話したら、ひどい言葉になりますものね(笑)
ハワイアンミュージックのファンなら、アアロン・J・サラーやロバート・カジメロといった、おなじみのミュージシャン達が「お仕事」として日本に来日してくれているときとは、また別な、「素」に近い表情も見られて、よりいっそう楽しめることでしょう。

すべての、ハワイ文化に興味のある人に、お薦めの映画です。ぜひ、観に行ってみてくださいね。