被災地の今・大船渡市/活動を通して考察(後編)

「さんさんの会」の活動趣旨はFacebookページに記載されている通りです。
http://www.facebook.com/sansannokai?sk=info
そこからでは分かりえなかったいくつかの質問を、わたくしは尋ねてまいりました。Q&A方式で記載しますが、メモや録音をしながら伺ったわけでは無いので、わたくしの頭の中を整頓してアウトプットした形になります。ご理解ください。なにか、誤った記載に気づかれた方は、メール(rocoofrocos@gmail.com)にてご指摘いただければ幸いです。


Q)お弁当食材の調達はどのようにしていますか。

A)企業や農家などの支援により、まとまった食材の提供をいただいています。あるいはお金でいただいた支援で食材を購入します。地元の経済を回すという観点からもこれが望ましいです。『今回いただいた資金で小エビを買えるかな』などといったことになります。


Q)お弁当を望んだ方には誰にでも配るのですか。

A)無料で提供しているのでそれはできません。希望があった場合には必ず伺い、顔を見て、現状をお話してもらいます。なにかしら困難を抱えている方に限定して配布させてもらっています。


Q)お弁当を望まれる方はどういった方々なのですか。

A)被災により怪我などを負い体が不自由になった、津波でそれまで3〜4台あった自家用車が流されてしまい買い物できなくなった、仮設住宅が買い物には適していない場所にあって買い物できない、高齢で急な坂を歩いて買い物にいけない、などの事情が背景にある方々などです。


Q)わたくしたち、被災地から離れた場所に住んでいるものは、それでもなにか役立ちたいと赤十字社などに募金を託すわけですが、そういった団体からこちらに、資金援助はありますか、資金は流れてきますか。

A)なかなかダイレクトに流れてこない、が実情です。赤十字社などにもシステムがあり、資金を災害のためにストックするようです。現在の災害に使うお金は例えば、阪神大震災のときの募金であったりもするようです。しかも、この会はまだ、NPOとしても認められていません。提出資料の審査に時間がかかるためです。このような会のために、資金を援助してくださる団体、またその上のNPO団体・・・などの援助もありますが、支流、支流といった感じになかなか資金が流れてこない、が現状です。


Q)この活動はずっと続けていくのですか。

A)現在の活動拠点「リアスホール」も、いつまでもお借りできるわけではありません。場所を換えて活動を続けるとしても、大きな調理場があること、が条件になり、どこでもできるわけではありません。今と同じ、おかずの配布、とは別の形に変更して、なにか支援を続けていくことになるかもしれません。


Q)そこにどのような問題点がありますか。

A)活動している者とて被災者です。お弁当作りではなくなるとすると調理を担当してくれている者の仕事は、では、どうなる?という心配もあります。また、長期でずっと手伝ってくれているボランティアさんになんとか、少しでも報酬のようなものを支払ってあげたいという希望もあります。支援してくださる方には細く長く支援して欲しいという気持ちもあります。課題は山積みです。

他にも、活動を通して考えさせられたことはたくさんあります。
老々介護、といった状態のご夫婦が、奇声をあげるアルツハイマーの旦那さんで避難所も長く居られなかったことを苦にされていると切々と訴えてきたこと、津波で家を流され失ったわけでも無い人が仮設住宅に入れるのはおかしい、という苦情などもあること、おかずを配りに行った先で肌着や衣類も援助してくれと頼まれたこと、「唐揚げです」とおかずの説明をしたら「心臓が悪いから揚げ物は食べられない」とおっしゃる方も居ること、などなど。 それでも、スタッフの一人は「すんなりと人が要求を口に出せるようになった、というのは、ある意味良いことだ」とおっしゃっていました。恥ずかしながら、なるほど、そういう考えもあるのか、という想いでした。

わたくしが現在すすめている、自分の小さな仕事の一つ、Tシャツ作りとその販売ですが、いくらかでも買っていただいたら、当面はその一部を、今回取材させていただいたこちらの会に、援助とさせていただこうと考えています。また、これからも機会を見て、このようなところを知ることが出来れば、支援先として検討していくこともあるかもしれません。
人が出来ることは限られていて、自分の出来ることを、自分の出来るサイズで続けていけたらよいかな、と思っています。色々勉強になった一日でした。