被災地の今・大船渡市/仮設住宅にお弁当を配る(中編)

いよいよハイライトといった感じの、お弁当箱に詰める作業です。


空の容器を入念にアルコール消毒するところから。とにかく、衛生に対して厳しくあたっておられました。「腐ったものを食べさせるわけには行かない」と。






全て揃った「おかず」たちを、みんなで一気に詰めていきます。





詰めたらうちわも使って冷ます!





この日のおかずの献立、メインは、アンコウの唐揚げ。ちょっと珍しい食材で、これがまた、配られた人にとってのお楽しみになります。茄子の肉味噌炒め、青菜のごま和えなども入って、栄養のバランスもとても良いです。なによりおいしい!
冷めたら蓋をして、お手拭も添えて、ようやく完成です。



出来た端から配達へGo。わたくしはこの、1便に連れて行ってもらいました。14:30、出発です。





瓦礫の山を横目に配達。



リアス式海岸、なにしろ急な坂、アップダウンの多い土地です。これが、後のBlogでも記述しますが、お弁当を配る必要性を高める、大きな困難の理由のひとつとなっています。




わかりにくいですが、中学校の校庭や野球場、公園など、平らな土地はほとんど、仮設住宅が建てられています。子供たちの遊び場よりも急務なので、致し方ないですね。



仮設住宅ではなく、小屋に住んでいる方も居ます。いろいろな事情で仮設に入れない方も多いようです・・・人と人とのこと、なにしろ見えにくい、片付きにくい事情も満載です。このあたりは後編にて記述、考察します。



仮設住宅で、注文のある方(※ここにも基準があります。こういったことも後編で記載します)を一戸一戸回っては戸を叩き、「おかず」を配ります。でも、ここで重要なのは、「おかずを配ること」だけではありません。さんさんの会の方に伺うと「お弁当はむしろツール」と言い切ります。
注文者の多くが高齢者で、「こんにちは〜!お弁当届けに来ました〜!」と声をかけると、足を引きずりながら、あるいは見えない目で杖をつきながら、それでも皆一様ににこやかに、玄関口まで来てくださいます。
これが、大事だとのことです。
お年寄りを、寝たきりにさせない、現状の把握や励ましをかねて、お弁当を配る。これが、大きな目的とのことです。
「今日のおかずは、アンコウの唐揚げですよ、ちょっと変り種でしょ。味、しっかりついてるから、ソースかけなくてもいいかも」などと言いながら配ると、それがまた、話題になります。皆、楽しみにしているみたいです。

愚痴を聞くのも大事な仕事だし、配っている間にも新しく「わたしも頼みたい」という方も外に出てきます。わたくしたち1便の担当した270食を配り終えたのは17:30でした。同時に回収した使用済みの容器を持ってホールに帰ります。おつかれさまでした。

なぜ、「おかず」を配っているのか。どのように成り立っているのか。問題点は。

次のBlogでは、そのあたりを記述します。