村上春樹「1Q84」読了
買ってから実に一ヵ月半以上。ようやく「1Q84」を読み終わりました。
特に難解だとか、時間のかかる読み物、というわけではありません。
いろいろな物事の隙間を縫って読んでいたら、こんなに時間がかかっていました。
一気に読んでももちろん楽しいのですが、ハルキの話は、どうも一字一句をきちんと意識下に捉えながら読み進めないと、なにげないひとことに重要な意味がもたされている場合などが往々にしてあり、ついつい慎重になってしまいます。わたくしは、春樹を読むと結構ぐったりと疲れます(笑)
若干のネタバレになりますが(もうそう旬でもないので良いでしょう・・)、扱っている内容が宗教で、ついに(やっと)春樹もこの領域に来たか、という感じもします。どんどんと研ぎ澄まされ、不要なものがそぎ落とされ、ますます完成度と緻密さが高まったハルキ・ワールド全開の成熟した内容だと感じました。
それにしても相変わらず、主人公の男性が淡々と質実につくる料理の数々のおいしそうなこと。なにげない一品一品に、命の重みを読み取ります。わたくしが、春樹の小説を好きな大きな理由のひとつです。
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