ポール・スローンのウミガメのスープ

ここ一ヶ月ほど、結構本を読みました。食指の動くまま自由に。
本はいいですね。本はいつでもそこに在り、それを私たちは自由に選び取ることができ、求めれば与えてくれる。押し付けがましいことがなく、本は中立。
読んだ本をいくつか紹介しようと思います。一度に数冊分書いてもいいかな、とも思ったのだけれど、1post1冊にしよう。

今回読んだ中で一番面白かったのが「ポール・スローンウミガメのスープ」。
後に書くことになると思いますが、一度読んでみたかった「勝間本」の隣に「勝間和代さん推薦!」の帯つきで積まれていたもの。一緒に購入しましたがこれがとてもよい刺激になりました。

Q1.
男がレストランに入り、メニューから「ウミガメのスープ」を頼んだ。それを一口食べた彼はレストランを飛び出し、持っていた拳銃で自殺してしまった。
なぜだろう?

2004年初版のこの本には、このような短い、81の「Q」が載っています。それぞれに「答え」とされるものがあるのですが、そのどれもが「なるほどそうきたか!」とでも言いたくなるような、意外だったり巧妙だったりするものになっています。それぞれの「Q」には難易度を示す「★」がついていて、もっとも難解なものは「★★★★」です(ちなみに上記「ウミガメのスープ」は★四つです)。各「Q」には次のページに「ヒント」がついているのですが、基本的に「そう」か「そうではありません」のヒントは、あまり直接的に作用するものではないため、その「Q」の持つ可能性についてじっくりと考えることができます。
この「じっくり考える」が、とてもよい刺激になります。
こと日常の「生活」にとらわれて生きていると、どうしてもどこかが固まってきがちです。自分の中で経験則が幅を利かせ、合理的に日々を切り抜けようとしがちなのですが、そんな自分になにかを問いかけなおすことに役に立つな、とおもいました。
一つ一つの「答え」も、厳密な意味での「回答」ではありません。「正解。」「不正解。」とジャッジされる感覚はそこにはなく、ストレスになりにくいと感じました。脳内エステの「スッキリ」と似た感覚です。

柔軟性を欠きがちな淡々とした日常に効く新鮮な清涼剤。そんな一冊です。短い81の「Q」の好きなページを開いて気ままに考えることができるのもよいです。気になった方はぜひ、読んでみてください。

ポール・スローンのウミガメのスープ

ポール・スローンのウミガメのスープ